さようなら横浜館

99年3月28日


今から10年前の1989年、横浜で横浜博(YES’89)が行われました。場所は今のみなとみらい地区。再開発が始まる前、埋め立てだけが終わった状態で行われた博覧会です。既に日本丸は来ていましたが、ランドマークタワーもパシフィコ横浜もまだありませんでした。博覧会が終わった後、その場所を整備して街作りを行ったのですから、当たり前と言えばそうですが。

今でも使われているもので代表的なものは、横浜美術館と動く歩道でしょう。横浜美術館は横浜博の会場内に建築されましたし、動く歩道は桜木町駅からメインゲートまでを結んでいました。また、大観覧車コスモクロックは当初は会期中だけの予定でしたが、人気があり、昨年まで営業を続け、新港地区に移転し先週から再開しています。

これらは多くの人が知っていますが、国際展示場の隣にある、「みなとみらい21横浜館」も当時のパビリオンの一つでした。その横浜館が99年3月31日で閉館してしまうということで、再訪しました。

 

それほど派手な建物ではありませんが、近くに寄ってみると結構巨大なドーム型の建物です。パビリオン用途に作られたためか、ドームは木造になっています。

入口を入るとすぐに、横浜博記念コーナーがあります。横浜博のパビリオンの模型が展示されています。写真では良く分かりませんが、コスモクロック、日本丸、横浜美術館が見えます。写真右下から斜めに延びているのが桜木町駅の動く歩道です。また、当時のビデオも上映されていました。

 

この展示館の一番のメインの展示が「ヨコハマガリバーランド」です。簡単に言ってしまえば、横浜の模型なのですが、適当にデフォルメされていたり、かなり精巧な部分があったりして、改めて感心しました。まだまだ発展途上のみなとみらい地区もたくさんの建物のイメージが展示されていますし、関内や山手は県庁や横浜税関など、多くの既存の建物がきちんと作られています。単なる模型と言ってしまうには惜しいほどの出来です。

 

二階には街づくりコーナーとして、横浜の街つくりが何枚かのパネルで要領よくまとめてあります。また、ここの模型ではみなとみらい地区ができる前の、この場所の様子が良く分かるものがあります。

この他、横浜館の中には放送ライブラリもあり、過去のテレビラジオ番組を視聴することができます。

今回、何年ぶりかで横浜館を訪れましたが、みなとみらいについてとてもわかりやすく説明されていますし、これだけの大きさの模型は圧巻です。残念ながらこの模型はなくなってしまいますが、県庁など、一部の模型に関しては横浜市で保存するという話を聞きました。何かの機会に活用してもらいたいと思います。

放送ライブラリは4月20日より、みなとみらい21クリーンセンター5階に移転して営業します。

ともかく、10年間ありがとう、横浜館!


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